【ネタバレなし】「ジェミニマン」を観て最近のCGに思う事

アメリカ映画

ウィル・スミスW主演?「ジェミニマン」

普段使っている映画館の会員特典で 誕生日1400円クーポンが貰えたので、「ターミネーター・ニューフェイト」の吹き替え版と迷ったが、若いウィル・スミスと現在のウィル・スミスが対決する「ジェミニマン」を観ることにした。

映画の内容に関するネタバレは無いけど撮影手法に関するネタバレはあるので、若いウィル・スミスをどうやって描くことができたのか?ネタを知るのは映画を観た後で、と思っている人は離脱した方がよいだろう。

しかしまあウィル・スミスによく似た若い俳優が見つかったもんだ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。

んなわけないよね~。

あれだけそっくりな俳優がいるわけが無い。

息子の ジェイデン・スミス でもあそこまでそっくりではないし。

プロデューサーは有名なジェリー・ブラッカイマーとくれば、恐らくCGを使って年老いた俳優と若い俳優を戦わせようというアイデアは最初からあったようだ。

ウィル・スミスともう一人トム・クルーズが候補に挙がったようだが、トムは忙しくて駄目だったとのこと。いつかトムの老若対決も観てみたいもんだ。

最初からCGでそれを実現しようと目論む中で、息子の ジェイデン・スミス も使ってみようか?という案は恐らく出なかっただろう。

なぜなら、ウィル・スミスとジェイデン・スミスの親子共演は 「アフター・アース」 ですでに実現しているうえ、あまり興行収入的にも内容の評価的にも芳しくなかったですからね。

過去にレンタルで観たけど全然内容が頭に残っていない「アフター・アース」

ジェミニマンに関してはすでにメイキングの一部がYOUTUBEにアップされていますが、ウィル・スミスの若い頃は当然フルCGなわけです。

ウィル・スミスが演じてCG化している

若いウィル・スミスも演技自体はウィル・スミス自身が行い、その顔を若いウィル・スミスに加工しているということ。

二人で取っ組み合いの喧嘩をするシーンなどは、背格好や顔が似ている人を使ったのだろう。

たしかにアイデアは面白いが、フルCGの顔の不自然さは完全には無くせなかったようだ。

若いウィル・スミスのしゃべっている時の唇の動きや顔の筋肉の動きなど、観客も若い頃のウィル・スミスを知っているので、どこか違和感を感じてしまう。

ID4やメンインブラックの頃から観客はウィル・スミスのしゃべり方、顔の動きを何度も観てますから。

今回撮影の際に4Kカメラで非常に高画質なデジタル撮影をしたとのことで、あまりに画質が良すぎて逆にCGの粗が出てしまったともいえるかもしれない。

それとこれは後から知りましたが、この映画のフレームレートは120fpsという映画史上で初めての試みだったとか。(通常は48fps)

fpsとは簡単に言うと1秒間のコマ数のことですが、120fpsという細かいコマ数の為

「ヌルヌルと動く」

という表現をされる人が多いですが、私は映画を観ていてそれは特に感じませんでした。(私の反応速度が鈍いだけ?)

それだけ多くのコマ数で撮影した理由として、多分CGで加工する際にできるだけ不自然さを出さないようにしたかったのではないでしょうか?ただ、撮影は120fpsで撮ってもそれを上映できる映画館がアメリカにも日本にも無いそうですが。

120fpsを48fpsにダウンコンバートするからヌルヌルして見えるのでしょうか?

なので撮影時からかなり高品質なデジタル撮影をしていたので、当然CGのレベルもハリウッドクオリティ。

しゃべらなければ実物と見まがうだろう。

今後も恐らくこういったCGの使われ方は増えていくと思われます。

CGによる顔のすげ替えは「スター・ウォーズ エピソードⅡ」あたりからか?

「スター・ウォーズ エピソードⅡ」の雨のカミーノ星でオビワン・ケノービとジャンゴ・フェットが戦うシーンの激しいバトルの際、オビワンの顔はCG合成を使ったという。

引きずられるオビワンの顔はCGらしい

スターウォーズのメイキングの中でこれは紹介されていました。これが2002年。

1994年公開の「フォレスト・ガンプ」でも過去の有名人の映像にガンプが重ねて出ていたシーンがあったような。それがCGか、フィルムを重ねた特撮かは知りませんけど。

他に若い頃の映像を重ねるというと、クリント・イーストウッド主演の「ザ・シークレット・サービス」でも若いクリント・イーストウッドがレーガン大統領だかJ・Fケネディー大統領を護衛しているシーンがありましたね。あれも1993年製作なのでCGといえるかどうか。

以前紹介した「ターミネーター2」が1991年なので、顔のすげ替えというより全身フルCGで人物の表現がまともにできるようになったのは「ターミネーター2」が最初かも。となるとフォレストガンプや ザ・シークレット・サービス もCG合成でしょうね。

ターミネーター4の若かりし頃のCGシュワちゃんは2009年なのでスターウォーズエピソードⅡよりはずっと後ということになります。

このあたりからCGで俳優の若い頃を表現するのが流行りだした?

ターミネーター5作目の新起動/ジェニシスでも若いシュワちゃんと年老いたシュワちゃんが対決するシーンがありました。

若いシュワちゃんターミネーターが4より長い時間出演していた

ターミネーター4ですでに若いシュワちゃんターミネーターは観ていたので、5で出てきてもそんなに驚きはありませんでしたけど。

私は観ていませんが、XMENの爪の人も若い頃のCG表現があったようです(XMENシリーズは観たことが無いので爪の人ということくらいしか知りません)

と、このようにここ数年、俳優の若い頃をCGで表現する手法というのは珍しくなくなっていたんですよね。

でも驚いたのは「スター・ウォーズ」のスピンオフ「ローグワン」でグランド・モフ・ウィルハフ・ターキン提督とレイア姫が昔の「スター・ウォーズ エピソードⅣ」(1977年公開)当時の俳優そのままの状態で登場したシーン。

これもCG

ターキン提督を演じたピーター・カッシングは1994年11月に亡くなっているけど、2016年に公開された 「ローグワン」 でCGで復活!

多分CGなんだろうけど、ひょっとして過去の映像を加工してアフレコしたんだろうか?似ている俳優を使ったのだろうか?と色々考えながら映画を観たので、その仕組みを知るまではワクワクさせてくれました。

残念ながら2016年に亡くなったレイア役のキャリー・フィッシャーも「ローグワン」の最後の最後に若かりし頃のレイア姫で登場。(ローグワン公開当時はまだ亡くなっていなかったですけど)

若いレイア姫だ~!

ターミネーター4のシュワちゃんの登場シーンとか、ローグワンのターキン提督、レイア姫のような使い方だと、ファンも思わず「ニヤリ」とするわけですが、今回の「ジェミニマン」のように若かりし頃のCG俳優が出ずっぱりだと、ちょっとやり過ぎ感が無きにしも非ずなんですよね。

噂によるとジェミニマンは興行的には失敗していて、80億円(ドル?)の赤字を出しそうだとか。

YOUTUBEの批評を観ていても大体皆同じ意見。アクションシーンは良いけどストーリーがありきたり、展開が読める、若いウィル・スミスのCG自慢があざといなど。

当然のごとく公開前の広告では「映画史に残る大作」といった触れ込みをするわけですが、

「若いウィル・スミスはどうせCGでしょ?」

と観る前から観客にもバレちゃっている以上は、ストーリー的に面白くしないと評価はされないんですよね。

私はストーリー的には陰謀の内容がイマイチ理解できずに

「あ~なんかよくわからんけどハメられたんだな?」

と思いながら映画を観ていました。

悪の組織の登場人物が多くて、だれが悪者なのか分かりづらかったんですよね。ジェイソンボーンシリーズやミッションインポッシブルシリーズの方がその点は分かりやすく作られていると思います。(私が理解力が乏しいのかもしれませんけど)

ジェミニマンで最大の「やっちゃった」部分

これはネタバレでもなんでもないですが、ジェミニマンが興行的に失敗するであろう最大の原因は4K撮影でも120fpsでも若いウィル・スミスをCGで登場させたことでもありません。

ストーリーがありきたりだったりすることも目をつぶりましょう。

メアリー・エリザベス・ウィンステッドの演技が可愛くもタフネスなところは皆からの評価が高いところです。

なんだかんだこの子がいなかったらこの映画はさらに評価が低かったかも?

「ジェミニマン」が失敗した(する)最大の要因はこれら内容に関するところではなく、広告宣伝でやっちゃってると思うんですよね。

以下画像2点は公開前のトレーラーのワンシーンです。

「父が25年前に俺のクローンとしてお前を創った」

って劇場公開前のトレーラーでハッキリ言っちゃってます。日本版とアメリカ版の両方のトレーラーを観ましたが、両方とも同じシーンをトレーラーに使っていました。

え~~~??それ言っちゃあかんのやないの~~~????

ウィル・スミスが現在版と若い版で戦う事はわかっていたとしても、それがクローンだという事が分かった時点で、

「あ~またいつものアレね。例のやつね」

って思っちゃうわけです。20~30年くらい前ならいざ知らず、ここ数年でクローンネタは沢山題材にされて、観客も結構食傷気味なわけですよ。

これって、作る手側や配給会社も

「クローンって話に皆飛びつくぞ~~~!!」

って思って宣伝しているとしか思えないんですけど????

観客は既に飽きちゃってますからクローンネタに。マーケティングとかちゃんとやってるんだろうか?観客をバカにし過ぎてる?それとも観客がバカ?クローン大好き?違うよね?

制作費に何億もかけても、宣伝の仕方が下手過ぎて失敗とかって勿体ないよね。せっかくウィル・スミス使っているのに。

せめて、宣伝の時点では

「あいつは一体なにものなんだ?」「なぜ襲ってくるんだ??」

くらいの含みを持たせたほうが、観客も「なんで若い頃のウィル・スミスが??」と興味が湧いて映画を観てみたくなると思うんです。

それで観客を動員して「実はクローンでした~」ってやらないと。

クローンであることはネタとして”あえて隠して”おけば、ネタバレ記事でやっと「あれはクローンです」となるけど、ネタバレ無しの記事は「若い頃のウィル・スミスは、、、、続きは映画本編で」となるわけです。

広告宣伝の段階でネタバレしてどうすんねん!って話ですよ。それとも配給会社がすでに広告宣伝に力を入れることを諦めちゃって、クローンネタで釣ろうとしたのか?観客は馬鹿じゃないぞ!

だからクローンが襲ってくるという宣伝をしたならそれなりのしっかりしたストーリーにしないと駄目なんだよね。

はやりのCGってあると思います

映画でCGの技術が向上すると、製作者は軒並み同じような表現を使いたがる、

「はやりのCG」

があると思います。

一時期多かったのが、人物が横から来た車にすっ飛ばされるというCG。

After Effects で車に飛ばされるCG合成
一時期何度これと似たようなシーンを観たことか

この人がひかれるシーンを多くのクリエーターが使っていました。以前YOUTUBEでも特集が組まれるほど多くの映画やドラマのワンシーンで人がひかれるシーンがありましたね。

CGを使えばこういうシーンが使えるんだとわかると、一種の流行のようなものが生まれるようです。

今後も増える?若い頃、すでに他界した俳優のCG化

2015年公開の「ワイルドスピード7スカイミッション」で主演の ポール・ウォーカー が撮影期間中に亡くなり、そのポール・ウォーカーの代役をしたのはポールの実の弟という話は聞いたことがありましたが、思ったより結構多くのシーンでCGでポール・ウォーカーを復活させていた模様。

あなたは見分けがつくか!?CGで蘇ったポール・ウォーカー THE HOLLYWOOD MAGIC Fast Furious 7

2019年の11月現在で最も話題なのが、「スター・ウォーズ エピソードⅨ」でキャリー・フィッシャーはCGで復活されるのか?という事だと思います。

全作の「スター・ウォーズ エピソードⅧ」が2017年12月15日に公開された1年前の 2016年12月27日にキャリー・フィッシャーは亡くなられたのですが、 2019年12月20日公開予定の最新作「スター・ウォーズ エピソードⅨ」 ではCGによる出演は無いという映画会社からの発表がありました。

ですが、 「スター・ウォーズ エピソードⅨ」のトレーラー を観る限りでは、

しっかり出てますけど?

主人公のレイとレイア姫が抱き合うシーンがあるようです。

これがCGなのか、過去に撮ったシーンを使っているのかはまだわかりませんが、ストーリー上レジスタンスの将軍であるレイア姫のキャリー・フィッシャーが全く出ないわけにはいかないので、どういう解釈で出演されるのかが見物。

キャリーが亡くなった時は、CGで復活させるか否かはやはり議論になったようですね。

映画ファンとしては復活するのは嬉しい反面、亡くなった人をCGで再現するのは倫理的にどうなのか?というのが議論の対象になっています。

どちらにせよスターウォーズは楽しみではありますが。

人物の顔をCG合成するのはそんなに難しくない?

上で話したローグワンのターキン提督や、レイア姫のCG再現はかなり苦労したとのことでした。

もとの俳優の筋肉の動きなどを再現するのはハリウッドのCG技術が優れているとはいえ、CGで生身の人間を表現するのはやはり難しいようです。(以前はCGで人間の顔や皮膚を再現するのは無理だろうとも言われた時代がありました)

ですが、最近では割と簡単に合成できちゃう技術もあるようです。

それがderpfakesというYOUTUBUチャンネルで紹介されている動画。ちなみに derpfakes の derpとは肌を現わすようです。偽物肌と訳せば良いでしょうか。

Nic Cage | Mega Mix One

AIを使って俳優の顔を合成できちゃうらしいです。この動画はとにかくニコラス・ケイジにしちゃおうという動画。

他にもいろいろな映画にニコラスケイジを出演させちゃったり(これがかなり笑えます)、さっき紹介したローグワンのターキン提督の顔も「RogueOne」本編と「derpfakes」と過去の「StarWars」を比較しちゃったりしています。

ローグワン本編より凄いかも?

「RogueOne」本編はハリウッドのILMなどで金と時間をかけて作り込まれていますが、 derpfakes はAIを使ってCG処理をしており、さらにAIにディープラーニング(深い学習)をさせることでかなり本物に近づけることが出来るらしいです。

凄い時代になったもんだと思うのと同時に、怖い時代になったともとれます。

これだけ簡単に人物の顔が合成できるなら、証拠写真や動画のでっち上げなんて簡単に作れてしまいますからね。

静止画写真なんかはすでに30年前から画像のデジタル合成技術はありましたけど、動画でこれが出来ちゃうのって怖い。

先日ネットサーフィンをしていたらたまたま見つけたのが、CMやドラマに引っ張りだこの超有名若手女優(多分日本で3本の指に入るくらい人気)の顔と、AV女優の顔をすげ替えて、超有名若手女優が男性と絡んでいる動画を観ました。

この動画は本当にすごかった。まるで本人が男性と絡んでいると見まがうほどです。変な話ジェミニマンのCGよりそのAVの方が優れているかもしれません。

しゃべらずに”あえぐ”だけなので、ジェミニマンと比べてはいけないのかもしれませんが。再度調べたところ、どうやらこの超有名若手女優のAVもdeepfake(deapfake?)で作られているようでした。

それだけCGの技術は革新をとげているということですね。

CG合成で若い頃や亡くなった人を復活させるというのは、ジェミニマンのように現存する俳優は良しとしますが、亡くなった俳優を復活させるというのはちょっとどうなのかな?と思うところもあります。

ブルース・リーが過去に実在してあの動きが出来たから伝説になったのであって、もしCGで復活したらその伝説を汚すような気がするのは私だけだろうか?

政治的な陰謀とか、犯罪のでっち上げでも使われそう。

やっても無い犯罪でも、証拠動画の顔を変えることで、まるでその人がやったかのように見せることもできますからね。

AVに関しても今後は有名人の顔を勝手に使うという事が横行(すでにそういうウェブサイトもあるらしい)しそうな時代。

有名であればあるほど自分の全く知らないところで辱めにあっているのですから考え物ですね。

そういう類のAVって、回りまわっていくうちに「流出」とかに変わって、本人ではないのに本人と思ってしまう人も沢山出てくる可能性が大きいと思います。

出所がハッキリしないので訴えようにも訴えられなくて、泣き寝入りをするしかないということが予想されます。

ホント、このレベルで顔を変えられたら私だったら芸能界に残りたくなくなりますよマジで。

まるで本人の様な問題作(あまりにヤバいのでモザイクはキツメにしました)再生ボタン押しても再生されないのであしからず。

これはあかん。こんなん横行したらあきまへんで~~。怖い時代に突入しつつあるのかも。

CG合成が出来ちゃう環境って昔は数千万、数億するようなマシンでしか作れなかったのが、最近では簡単なCGならスマホでも作れてしまいますからね。

静止画のデジタル合成も30年前までは印刷会社の数億円するマシンでしか出来なかったのが、現在ではフォトショップや無料の画像編集ソフトでも出来ちゃいますし。

なので、顔のすげ替えもそのうち簡単にできてしまう時代にもうすでになっているのかもしれません。

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